日本ならご飯とお味噌汁、それにたくわんといった朝食の定番スタイルがありますが、それは世界中同様でそれぞれの国の食文化に応じた朝食スタイルが確立されています。ここではイタリアの朝食がどんなものなのかご説明します。

イタリア料理という料理は存在しない?

イタリアは北部では酪農や農業が盛んであり、南部では漁業がとても賑わっています。地域ごとの特色が食文化に強く反映されており、ナポリやバスクといった地方が冠された料理はたくさん存在しますが、厳密にいうとイタリア料理という料理は存在しないのです。ですからイタリア料理の事について考える時には、地域の特色をよく見極める必要があります。

朝は軽めがイタリア流

いくら北部と南部で特色があるといっても、北部ではパンを食べ南部ではお米を食べているという程食文化がかけ離れているわけではありません。むしろ朝食に関しては驚く程統一感が保たれているといえます。そういう意味では、イタリアの朝食は最もイタリア料理と呼ぶにふさわしいものなのかもしれません。ディナーには強く特色が現れますが。
朝食のベースとなるのはパンやカプチーノといった日本でもお馴染みの食べ物です。パンにジャムを塗って食べたり、ビスケットを食べたり。ケーキの様なデザートやミカン・キウイといったフルーツもよく並べられます。日本だとご飯を食べ、味噌汁を飲み、たくわんや納豆を食べ、更に卵や肉・魚が一膳くらいついてくるといった風情ですが、イタリアではその様に重い食事は滅多に食べられません。あるイタリアに留学した方が現地の人に日本式の朝食を提供したそうですが、とても驚かれたそうです。あまりにも重すぎると。

驚く程すっきりとしたイタリア人の朝ごはん

イタリアといえばオリーブオイルをふんだんに使っていたり、日本のイタリア料理店に行くと大抵ボリュームがたっぷりである事から、とてもたくさん食べているイメージがありますが、一般的な家庭では朝食はすっきりとしている様です。野菜も食べず、スープも飲まず、パンやビスケットをコーヒーやカプチーノ、ミルクで流し込む。とてもシンプルです。そしてイタリアの家庭では日本の様にデザートや主食といった分別は行われない様で、パンの後にスイーツといった流れで食べるのではなく、どちらも分け隔てなく同じ様に食します。パンやケーキがとても似通ったものだからこその朝ごはんの食べ方だと思います。