アラカルトとは単品のことです。コースは食べきれない気分の時や、ワインをメインにしたい夜など気軽に利用することができます。しかし、イタリア人は単品であっても頼む順番を大切にします。日本人も鍋料理でもシメの雑炊の後に刺し身を食べたりはしないように、美味しく食べる順番というものが存在するのです。そこで、ここではイタリアンでアラカルトを頼む際のコツなどをお伝えしたいと思います。

イタリアンの基本

イタリアンの基本は、アンティパスト(前菜)、プリモピアット(1番目の皿)、セコンドピアット(2番目の皿)、ドルチェ(デザート)の4つです。アンティパストは前菜やカルパッチョ、サラダなど軽く食べられるメニューを指します。プリモピアットは「第一の皿」という意味でピザやパスタなどがでてきます。セコンドピアットは肉や魚のメイン料理、ドルチェは食後のデザートといった構成です。フランス料理ほど複雑ではなく覚えやすいですね。

アラカルトの注文方法

必ずしも各種注文しなければならないといった決まりはありません。アンティパストで満足したからドルチェといった注文方法もマナー違反とはなりません。また、アンティパスト+セコンドピアットの組み合わせやプリモピアット+ドルチェの組み合わせなど好きなメニューを注文するといいでしょう。

アラカルトならどの位注文するべき?

アラカルトの場合、コースメニューよりも1.5倍から2倍ほどのボリュームがある店が多いため、それを念頭に入れてメニュー選びをすることをおすすめします。そんなに食べたくない時には無理せずアンティパストとワインでもマナー違反ではありません。成人女性なら2皿も頼めば満腹になるのではと思われますが、もし、どの位の量か知りたい場合はウエイターに聞いてみると失敗が少なくなりますね。

やってはいけないアラカルト注文

自由に頼めばいいといっても、出来れば順番を崩さずに食べて欲しいというのがシェフの願いです。美味しいものを美味しく食べれるタイミングでと構成されていますが、絶対ではありませんので、途中でおかわりをしたくなったり、やっぱり追加したいといった場合にも遠慮することはありません。やってはいけないのは、少しずつ食べたいからと、シェアする場合、同じお皿から数人で食べること。これは、ヨーロッパでは嫌われますし、少しいいお店にいった場合にも恥ずかしいことなので気をつけましょう。シェアしたい場合には、小皿をもらったり注文時にシェアするから皿を分けて欲しい旨を伝えるとスマートです。また、お皿を入れ替えるのもNG!お皿を持ち上げる行為はマナー違反なので注意が必要です。

アラカルトとっておきの一皿

もし、メニューに「Piatto unico(ピアットウニコ)」があったなら、ぜひチャレンジしてみましょう。これはシェフがおすすめする今日の一品を少量ずつ盛り合わせた一皿です。効率的に美味しいものが食べられるステキな一皿、みつけられたらラッキーかもしれませんね。

本場イタリアでアラカルト

旅行などで本場イタリアのレストランを訪れる機会があるなら、覚えておきたいのが順番についてです。日本のレストランなら事前に聞かれたり、お店側で調整して料理が順番に運ばれてきますがイタリアでは勝手が違います。席についているお客様に同じタイミングで提供したいがアンティパストは1種類、プリモピアットは2種類といったオーダーの場合、提供のタイミングに迷うようです。そこで、あらかじめ「アンティパストはシェアしたいからお皿を用意してください。そのあとプリモピアットを」などと伝えておくと、スムースです。

アラカルトとコース、どっちがお得?

コース料理の価格を見て懐事情からアラカルトにする場合もあるかもしれません。しかし、アラカルトは常時あるメニューであり、常に食材を常備しておくため廃棄のコストも計算して上での価格設定となっています。しかし、コース料理はその日仕入れたいい食材を使い切る店舗が多く、コスト的にはコース料理の方がお得であるといえるでしょう。ベストなのはコース料理を頼み、気になるものはアラカルトで注文といったスタイルなのかもしれません。

アラカルトでも楽しみたいドルチェ

日本でも流行したティラミスやジェラートも立派なドルチェです。ジェラートは1人当たりの年間消費量7kgという試算があるほどイタリア人はドルチェが大好きです。しかし、大人のドルチェはデザートだけでなく食後酒も選択肢の一つかもしれません。イタリアンの食後酒といえばおなじみなのは「レモンチェッロ」「グラッパ」です。レモンチェッロはレモンの皮から抽出されているため爽やかな柑橘系の香りがたまりません。しっかり甘めのレモンケーキといった風味はまさに大人のためのデザート!グラッパは花の香が特徴的な蒸留酒で、甘さ控えめで男性にも好まれる味です。ワインもいいですが食後酒もぜひ、お試しください!