イタリアンでは魚介類をふんだんに使う料理が沢山あります。イタリアも日本同様海に接する面積が広い国なので共通点も多いのかもしれませんね。日本では煮る・焼く・揚げる・蒸すなど多彩な料理方法がありますが、イタリアの魚料理とはどのようなものなのでしょうか?パッと浮かぶのはカルパッチョですが、実は、お刺身のカルパッチョは日本発祥で、本場のイタリア料理では肉を使用しています。と、意外と知らないイタリア料理、ここでは日本でもお馴染みのメニューや本場のメニューについてみていきましょう。

日本でもお馴染み魚料理

アクアパッツァ

鯛を使った豪快な魚料理、アクアパッツァは日本でも大人気です。元々は、魚介やオリーブオイル、トマト・イタリアンパセリなどの野菜を煮込んだカンパニア州の料理で、水を使わず白ワインやトマトの水分で煮るのが特徴です。作り方はオリーブオイルで白身魚を焼いて、野菜を加えてワインをまわしかけ、フタをしたらしばらく煮込んで出来上がりです。貝類を追加するとさらに深い味わいになり、おすすめです。

ボンゴレ

ボンゴレはイタリア語でアサリ、その名の通りアサリのパスタこちらもおなじみですね。プライパンに刻みニンニクとオリーブオイルを入れ、香りが出たらアサリと白ワインを加え蒸します。アルコールが飛んだらパスタの茹で汁を加えて乳化させ、パスタを加えて塩で味を整え完成です。ボンゴレにはボンゴレ・ビアンコとボンゴレ・ロッソがありますが、ビアンコはイタリア語で赤を意味し、トマト入のボンゴレを指します。もう一つのロッソは白を意味し、白ワインを使ったノーマルなボンゴレを指します。

スカンピのパスタ

スカンピはテナガエビのことでちょっとした高級食材です。日本ではアサガエビで代用されていますが、半分に割られてパスタの上に盛りつけられている姿は日本人にもおなじみですね。トマトとの相性も抜群でトマトクリームのパスタもよくみかけます。基本的な作り方はボンゴレと同じで、貝を半分に割ったエビに置き換え仕上げます。トマトを入れる場合はエビが蒸しあがったタイミングで入れるといいでしょう。

本場イタリアの魚料理

ロッセッティ ア リモーネ

ロセッティはシラスです。日本でもよく食べられているおなじみの食材ですが、イタリアのナポリ周辺でも一年中売られています。食べ方はシラスを塩ゆでし、お湯をきったら器に盛り付けレモンとオリーブオイル、塩で味付けして頂きます。日本のシラスでも応用できそうなレシピですね。

カルトッチョ

紙包みという意味で、日本料理なら奉書焼きといった感じでしょうか。中身は魚介に限らず、肉やパスタの場合もあり開けるのが楽しみな料理です。鯛やエビを入れてゴージャスな見た目にするとおもてなし料理にもピッタリの存在感です。

トンノ

トンノとはマグロのトマトのパスタソースです。シチリア地方ではマグロがよく取れるため、網焼きにしたりカルパッチョのようにしたりとマグロをよく食べます。

バルでも魚料理

イタリア人はバルが大好き!バルとはイタリア人のとまり木みたいな存在だといわれています。バルはイタリア全土に16万件あるといわれており、デザート専門のバルや、ピザやパスタが中心のバル、きちんと食事のできるバルなど色々なタイプのバルがあります。その中でもワインを楽しむためのエノテカ・バルでは、たくさんの魚料理に出会うことができます。基本的にイタリアの魚料理は塩コショウ・オリーブオイル・レモンなどのシンプルな味付けで素材を楽しむものが多いのですが、バルも例外ではなくシンプルに美味しい魚料理の宝庫です。

魚料理とチーズはNG?

イタリア人は魚は魚、肉は肉と分けて料理をし混ぜることはありません。たとえば、スペイン料理のパエリアには肉と魚介類が使われていますが、イタリア人には不評なのです。魚は繊細なので肉との食べ合わせがイマイチだというのがその理由です。それと同じ理由で、チーズと魚介の組み合わせも嫌うイタリア人が多く、魚介のパスタにパルミジャーノレッジャーノなんてとんでもない!というものだといわれています。コース料理でも、日本人なら前菜は魚ならメインは肉なんて組み合わせをしがちですが、イタリアではNGといった徹底ぶりです。もちろん注文すれば出してはくれますが、田舎のレストランでは怪訝な顔をされることもあるとか。

イタリアの魚料理

陽気で楽天的な国民性といわれるイタリア人ですが、食に対しては繊細でこだわっている人も多く日本人の方がおおらかなほどです。もちろん、日本でイタリアンを食べる場合には魚介のパスタにチーズをかけても、魚と肉が混じったコース料理のオーダーしても問題ありません。しかし、イタリアに行った際にはイタリアの流儀に合わせてみるのもいいかもしれません。その際には、コースじゃなくても食べる順番は守る、食中食後にカプチーノを飲まないを加えれば、立派に現地に溶け込めるかもしれませんね。